第33回電友会ボランティア活動賞「受賞者の活動内容」
「地域における社会福祉活動」
“地域における保護司としての社会貢献” 受賞者 下越地区 渡 辺 定 雄さん
渡辺氏は、知人から地域の保護司として社会福祉活動への協力要請があり、退職前ではあったが有給休暇を活用しながら活動に参加するようになった。罪を犯した人との対応においては、出所した後の限られた期間ではあるが、訪問・面接を行う中で、本人の悩み、生活上の問題などを洗い出し、解決に向けてのお手伝いを行いながら、その人が社会復帰できるよう、また、再犯を防ぎ立ち直りを支える取り組みを実施してきた。
渡辺氏が活動を始めてから16年になるが、この間、地区の保護司会で会長などの要職を努めながら、①犯罪のない明るい社会を築くことを目的とする「社会を明るくする活動」での地区内各行政機関への訪問、②犯罪防止に大きく関わりがある学校などを含めた地域の環境整備に向けた取り組み、③再犯防止のための国、各行政の一体となった「地方再犯防止推進計画」の推進に向けた協力などに尽力し、令和5年1月6日に新発田市長からの表彰を受けた。現在、保護司会の要職は退いたが、今も保護司として活躍されており、地域の社会福祉活動に大いに貢献されている。
<活動状況・感想> 渡辺 定雄
【活動に至った経緯】
平成18年10月頃、知人より「新発田地域では保護司が不足しており、是非、保護司をやっていただけないか」との依頼があり、保護司とはどのような仕事を行うのかも全く分からない状況ではありましたが、これも何かの縁、社会の手助けが出来ればとの思いから、平成19年10月1日から保護司としての活動を開始しました。
保護司には数多くの役割がありますが主な活動について紹介します。
【活動状況】
一つは、罪を犯した人への対応です。
罪を犯した人が刑務所や少年院を出所した後、月2~3回家庭訪問・面接を実施しながら、法を守ることの大切さを指導し、改善・更生が図れるよう立ち直りのサポートを行うことで、本人の悩み事や生活上の問題点などの解決を促進して、再犯を防ぎ立ち直りを支える取り組みです。
対応にあたっては、生活・環境等は人によって異なっていることを十分に認識し、自分の要求を押し付けることが無いよう、相手の置かれている状況を考え、目線を合せることを意識して適切なアドバイスを行うよう心掛けています。
この活動では、状況が異なる人達との「心に向き合う場」の作り方、それぞれの「安定した居場所づくり」の難しさに思いを馳せていました。関わった人達には、自分を見直し着実に歩んで欲しいという願いがあります。社会に復帰する時には、互いに微笑み握手を交わし、これからは罪を犯さないよう願っています。

二つは、「社会を明るくする運動」への参画です。
この運動は、犯罪予防と犯罪を犯した人の更生について、全国民が理解を深めそれぞれの立場で力を合わせ、犯罪の無い明るい社会を築くことを目的に実施しているものであり、法務省の主唱により毎年7月を強調月間として定め、当新発田地区では各行政へ表敬訪問して、内閣総理大臣メッセージを各首長に伝達する発信式を行うことから始まります。「社会を明るくする運動」のシンボルマークはヒマワリの花で、真夏の太陽に向かって力強く咲く大輪の花のように、明るくたくましく児童・生徒が育って欲しいとの願いが込められています。
この運動では、のぼり旗を持っての街頭活動や小中学校への作文コンテスト募集協力依頼、登校する小学生への「おはよう声かけ運動」などを実施しています。

「社会を明るくする運動」で首長(新発田市長)表敬訪問
三つは、学校と地域との連携です
学校教育は学校だけの問題ではありません。地域の中にある大事な学校ですので、地域の方々や関係機関、保護者などと連携し、目指す子どもの姿を共有しながら、互いに力を合わせて子供の教育に取り組んでくことが大切であることから、皆の力で地域の方々から愛され信頼される学校づくりの取り組みです。この取り組みでは、青少年育成協議会と連携して、各地区で実施される金魚台輪巡りやミニ集会、文化祭、防災訓練、新春餅つき大会などを企画し、保護者からは学校と地域の繋がりの一助になると大変喜ばれています。
四つは、罪を犯した人の再犯防止です。
国では、再犯防止に繋がる要点として、「仕事の確保」「社会での居場所づくり」の施策が考えられています。犯罪を犯した人は、育った環境等により、時には更生の妨げになる場合もあります。これを改善するためには社会での基礎知識やマナーなどの社会常識を学ぶ場が支援に繋がることから、関係機関にも働きかけを行っています。また、国・県の再犯防止推進計画について、各行政を訪問して説明を行い、ご理解・ご協力を頂いています。

「保護士会研修会」での挨拶
再犯罪率は40~50%で推移しています。地域社会において孤立することなく、温かい支援を行うことにより立ち直っていただき、再び地域社会を構成する一員として、ともに生き、支え合う社会の実現を目指していきたいと思っています。
【感想】
保護司の仕事を何も知らないで活動を開始して16年になりました。
60名の組織の中で、事務局長、副会長、会長と無我夢中で走り続け、たくさんの出逢いと人としての在り方を学んだ年月に感謝し、活動を通していつしか言動に対する気配りを自分自身で考える習慣になり、人は磨き最終的には平穏な生活が夢で、そのためには善悪を判断する能力を養うことが肝心と思っています。
ボランティア活動での保護司という更生の架け橋に後継者が集まることを願いつつ、保護司は私に与えられた任務と思い、これからも活動を継続していきたいと考えています。

新発田市長より表彰状授与
「地域の防犯、防災、安全等のボランティア活動」
“安全安心明るい地域活動に貢献” 受賞者 中越地区 高 橋 房 雄さん
高橋氏は、NTT在職時から居住地域の長岡地域防犯協会会員として、夜間パトロールや振り込め詐欺などの防犯活動や自然災害研修会の開催及び自主防災訓練などの防災活動を長年積み重ね、その信頼性や貢献度の高さにより防犯協会の四郎丸支部長や自主防災訓練本部長という責任ある立場に現在も就かれている。また、長岡市全域では教育委員会青少年育成員、長岡警察署振り込め詐欺防止推進員、長岡市交通安全セイフテイ―リーダーの活動を現在も継続しており、これらの防犯・防災活動の取り組みが長岡市から高く評価され、新潟県警察本部長や全国防犯協会会長、関東防犯協会会長などから数々の表彰を受賞している。
現在は、地域防犯協会支部長、防災訓練本部長の重責を担いながら、安全安心みまもりたい活動を積極的に継続しつつ、後継者の育成に尽力されており、長期に亘るボランティア活動は、地域の防犯・防災活動や安心・安全活動に大いに貢献されている。
<活動状況・感想> 高橋 房雄
【活動の動機・経緯】
平成12年4月土合京田町内会長を務めている頃、当時の防犯協会四郎丸支部長より地域の安全安心活動に貢献して頂きたいとの協力要請があり、快く承諾し活動を始めました。会社在任中の15年間及び定年後も継続して活動しています。防災に関しては、災害時の行動として最優先の「自助」に続き「共助」による避難行動要支援者対応、避難所開設の検討を行い、新たな活動として自主防災会の連合等を構築し、自主防災活動の向上を目指しています。
【活動履歴】
〇四郎丸地域中心の主な活動履歴
平成12年4月~平成16年3月 長岡地域防犯協会四郎丸支部 常任委員
平成16年4月~平成28年3月 同上 副支部長
平成28年4月~現在 同上 支部長
同上 四郎丸地区自主防災会合同防災訓練本部長
平成18年6月~現在 四郎丸地域安全安心みまもりたい委員
〇長岡市全域での活動履歴
平成16年4月~令和4年3月 長岡市教育委員会青少年育成員
平成25年~現在 長岡警察署振り込め詐欺防止推進員
令和2年4月~現在 中越市民安全士会会員
令和3年4月~現在 セイフテイ―リーダー

登校時みまもり活動
◎四郎丸地域中心の活動状況
〇防犯部活動
1.夜間パトロール(年5回)、街灯設置状況、川沿いの危険個所の点検等の実施
2.地域安全かわら版作成・配布(年2回)、振り込め詐欺等の防犯啓発チラシ配布
3.四郎丸小学校児童による安全標語募集及び表彰(7月)
4.地域安全合同研修会の実施(年1回)
〇防災部活動
1.防災研修会(年2回)
2.自主防災会合同防災訓練の実施(年1回)
〇四郎丸地域安全安心みまもりたい活動
1.小学校児童の見守り活動
2.夏休み前、集団一斉下校時の見守り活動
3.みまもりたいニュース作成、発行(3月)

一斉下校指導(長岡市立四郎丸小学校)
◎長岡市全域での活動
〇青少年育成員
長岡市街中心に公園、施設等を巡回し、中学生や高校生等へ愛の声かけ実施
〇振り込め詐欺防止推進員
警察署主催イベントに参加、チラシ配布等
振り込め詐欺防止チラシ掲示
〇中越市民安全士会
防災士の資格取得
自主防災会部会開催、自主防災会の活性化への取組み実施
〇交通安全セイフテイ―リーダー
交通安全旬間での活動
小学校での交通安全の講話実施
◎地域の安全で安心な街づくりによる表彰
平成18年6月5日 長岡地区防犯組合連合会会長・長岡警察署長より感謝状
平成21年5月14日 新潟県防犯協会会長・新潟県警察本部長より表彰状
平成27年9月24日 全国防犯協会連合会会長より表彰状
令和元年10月15日 関東管区警察局長監視監・関東防犯協会連絡協議会会長より表彰状
令和元年11月6日 青少年育成員として長岡市長より表彰状

表彰式の模様
【感想】
65歳定年後、主に地域の数十名の小学校児童を引率し、登校日の毎日、見守りをしています。“おはよう!”の挨拶をする児童は恥ずかしいのか少ないですが、こちらから大きな声で挨拶しています。年1回は、児童と教室で日々の登下校で良くできたこと、できなかったこと等話し合い、結果はともあれ一斉下校で一緒に帰ります。
育成委員は卒業しましたが地域の子供たちの見守り、元気な笑顔に会えることが日々の楽しみと運動のためと思い、継続したいと思います。活動のボランティアは私も含め、高齢化しているので、若い世代の後継者の育成は必須です。一歳でも若い人材を期待ながら各種の活動をできる限り継続したいと思います。

新潟県より表彰状授与



